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ピルは不妊治療にも使われる

ピルの使用目的として広く認識されているものは避妊ですが、そのピルが避妊の真逆ともいえる不妊治療にも用いられることがあります。
ピルのおもな効果は合成ホルモンの摂取により妊娠中と同じホルモン状態とすることで卵巣の機能を止めて排卵を起こさせないというものです。
この効果による以下三点が、不妊治療に有用であると考えられています。

  • 生理コントロール
  • 卵巣の休息による機能改善
  • 妊娠しやすいホルモン状態の維持

まずピルの服用によって生理周期をコントロールすることで、生理不順の改善、体外受精の採卵日程の調整などを行うことができます。
排卵の周期を把握することは不妊治療において重要な項目のひとつであり、ピルの生理コントロール効果は非常に有用であるといえます。

次にピルによる卵巣の休息は質の良い卵胞を育てるために効果的であると考えられます。
ピルの効果により休息を経た卵巣は、排卵に至らなかった古い卵胞などが残っていた場合はそれらが排出され、一度まっさらな状態に戻ります。
体外受精の際に採卵を行う前はこの休息期間を取って、卵巣をより良い状態にすることで受精率の高い質の良い卵ができるともいわれています。

最後にピルに含まれる黄体ホルモンの効果が排卵後の高温期を維持し、これが着床を助ける事につながるのです。
高温期が短いと受精のために厚くなった子宮内膜が剥がれてしまい、着床ができない、またはせっかく着床した受精卵が維持できずに流産という事にもなってしまいます。

これらのピルの効果を上手く利用することで、不妊症を改善する事が可能であるのです。
飲み始める時期、飲み方などは処方をしてもらった医師と相談する事になりますが、一般的には毎日決まった時間に服用し、体内のホルモン濃度が一定になるように心掛けます。
食前食後など特に飲み方に制約があるわけではなく、飲み忘れを防止するためにも朝や就寝前に習慣づけて摂取するのがよいでしょう。

ピル以外の不妊治療の方法について

不妊治療にはいくつかの段階があり、まずは女性男性双方の体の状態を検査し、それぞれにあった治療を医師とともに選んでいくということになります。
タイミング指導から始まり、人工受精、体外受精、顕微受精とすすんでいくわけですが、その各過程には受精を助ける様々な方法があります。
不妊症においてピルによる治療の他に用いられるものとしては、漢方薬による体質の改善や、ホルモン治療などがあります。

ホルモン治療とは、ホルモン剤を用いて体内のホルモンバランスを調整することで、女性に排卵が見られない場合、排卵をおこすためにホルモン剤の一つである排卵誘発剤が使われます。
症状が軽い場合は、点鼻薬などで内服し、それでも効果が見られない場合などはさらに強力な注射を用いて排卵を起こします。
このホルモンの摂取による治療は妊娠までのそれぞれの過程において用いられ、着床障害の場合は黄体ホルモンを、子宮内膜症にはエストロゲンを、内服や注射といった症状にあった形で摂取していきます。

こういったより確定的な効果をもたらす薬に比べて漢方薬の期待される効果は、冷えを改善して血流を良くしたり、体の基本機能を高める事で妊娠しやすい体作りを促進するというものです。
体の機能が高まれば生理の周期なども安定し、薬による治療というよりはより自然な状態での妊娠が望めるとイメージですが、それはあくまで体質の改善という手段です。
漢方薬は個人の体質や環境による相性もあり多種多様で、それなりの時間を要することは念頭に置かねばなりません。
不妊治療は日常生活の様々な制限、心的問題と物理的な有用性など十分鑑みた上で、自分にあった治療法を選択することが大切でしょう。

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